「……にしても、額の外傷以外見当たらない。確実に狙った所を当ててる」 「そーとーな腕の持ち主だったんスね、きっと」 火茂瀬は片目を瞑り、矢を射る真似をする。 死体が運び出される前に犯人を確認しておこう。 長い黒髪が垂れる頭に触れた。 死体の記憶が僕の頭に流れ込む。