僕は言葉が出ない。

「彼女の話を始めてからずっと苦しそうな顔して、今もそれだけ愛してるんだから探しましょうよ!俺も手伝います。霊達にも協力してもらいましょう?だから……だから、もう死体を探すなんて言わないで下さい。生きている可能性があるなら希望を捨てないで、生きている彼女を探しましょう?」

火茂瀬は瞳を潤ませながら、僕の顔を覗き込む。

そうか……火茂瀬は自分の彼女が死ぬのを目の前で見てしまったから復讐したんだ。

火茂瀬は彼女の死を受け入れている。

僕は探すのも、見るのも、受け入れる事も嫌だなんて、駄々をこねる子供と同じだ。

馬鹿だと思っていたが、火茂瀬の方が強くて、よっぽど大人だった。

「運転中に、そういうこと言うな」

視界が歪んで前が見にくいだろ……。

火茂瀬と一緒なら、どんな結末でも僕は受け入れられる様な気がした。