シンプルなデザインのシルバーリング。 派手な物が好きな萌でも、アクセサリー類は話が別なのだ。 萌は裏側に彫ってある2人の名前を指先で撫でる。 『梓、ありがと。すっごく嬉しいよ』 萌の笑顔を見て、安堵の溜め息を漏らす。 『はめてくれる?』 萌が左手を差し出す。 『あぁ』 萌から受け取った指輪を、彼女の細い薬指にそっとはめた。 萌はシルバーリングが輝く薬指を、うっとりと見つめる。