4年前、初乃咲萌(ソノザキ モエ)と付き合って3年の記念日を僕の家で祝っていた。

萌はロシアのハーフで、新人モデルとして売れていたから、外食は避けなければならなかった。

テーブルに2人で作った料理と、萌の好きな赤と白の甘口ワインを一本ずつ並べる。

『やっぱり梓の盛り付け綺麗ね』

色々なアングルでテーブルの上に並んだ料理をケータイで撮りながら、目を輝かせる。

2人で作ったと言っても、僕は料理が下手なのでサラダを作ったくらいで、他は全部萌が作ってくれた。

『撮ってないで、もう食べようよ』

椅子を引いて先に座る。

『じゃぁ最後にもう一枚ね』

萌は腰まで長い金髪を揺らしながら、僕の横に来ると顔を寄せてシャッターを押した。