「あ、すいません」

僕と火茂瀬は手帳を取り出す。

「一応手元にある資料とは、ほぼ同じなんだけど……」

白城は青白い死体に歩み寄る。

「これが執行人なら初めての事だね。……練乳って。どう思う?」

ビクッとした火茂瀬が視界の隅に映った。

「執行人が男だったら自分のザー……精子を証拠として残す訳にもいきませんからね。似せる為に練乳を使ったんじゃないッスかね?」

「今まで執行人に繋がる情報もDNAも出てきてないからな」

白城は火茂瀬の言葉に軽く頷いた。

「女性の可能性もありますね。当然精子は出ない訳ですから。誰かのを大量に集めるという手がありますが、簡単ではないでしょう」