「はぁ……」

座っていた男は立ち上がると僕の目の前に来た。

背が高く、170cm前半の僕が見上げるのだから170cm後半だろうか。

烏の様に真っ黒な僕の髪に比べて、目の前の男は綺麗な茶髪で少し長めだった。

細身で肌も白くて男前だ。

モデルか俳優とかなのだろうか。

「彼の名は火茂瀬君。君と同じ殺人課の刑事だよ」

このビジュアルで刑事だなんて、もったいない男だな。

「はじめまして。殺人課の火茂瀬真斗(コモセ マサト)って言います」

「はじめまして。同じく殺人課の四方木梓(ヨモギ アズサ)です」