『なんで……みゆきが……』

俺はフラフラとみゆきの血痕が残る、自分のマンション前までやって来た。

ここならみゆきに会えると思って来ても、いつもみゆきは居ない。

気配すら感じない。

みゆきに会いたい。

血痕が残るアスファルトを撫でた。

『刑事さん、俺は犯人を見たよ』

背後から声を掛けられた。

振り返ると青白い半透明な男の霊が居た。

やつれ、虚ろな目をした30代くらいの男だ。