『みゆき!?死ぬな!!みゆき!!目を開けて、みゆき!!』

何度もみゆきの名を叫んだ。

だけど、みゆきの瞼が上がる事はなかった。

みゆきの手から力が抜け、ゆっくり上下していた胸は動かなくなった。

『みゆき!!みゆき!!嫌だよ、みゆき……』

血だらけの顔をしたみゆきは微笑んでいた。

『みゆき……みゆき……』

無駄だと解っていても、みゆきの体を揺すってしまう。

無理にでもみゆきを送っていれば……。

せめて駅まで送っていれば……。

俺の馬鹿!!

何で風邪なんて引くんだよ!?

俺は冷たくなり始めているみゆきの体を、強く、強く抱きしめた。