みゆきの口が弱々しく動いた。

『みゆき!?』

みゆきの口元に耳を近付けた。

『ま……さ、と……だい、じょぶ……?』

一気に俺の視界は歪んだ。

『大丈夫だよ。みゆきのお陰でもう治ったよ?俺は大丈夫だから、今は自分の心配しろって』

俺は出来るだけ優しく笑った。

少しだけ握り返される手。

『よか……た……』

みゆきの瞼がゆっくりと閉じていく。