コンコン……

返事を待っていると、勢い良く扉が開いた。

「四方木君!!待ってたよ!早く入って」

驚いている僕を大腹(オオハラ)課長は課長室へ連れ込んだ。

「課長、そんなに引っ張らなくても」

中に入るとソファーに座って僕を見上げている男と目が合った。

大腹課長に腕を抱えられながらも、頭を下げた。

「あの、課長……ぼくに何か用ですか?」

僕の言葉に漸く腕を放してくれた大腹課長は、ソファーに座っている男にチラリと視線を向けた。

「彼を君に紹介したくてね」