ア オ イ





薫は、幸の研修室にお邪魔することにした。

気になったのだ。
別人類のルーツが。


「それにしても、嬉しいよ。薫くんが私達の研究に興味を持ってくれるなんてね」


幸が書類の束を持ち上げて笑った。薫は生返事しか出来ない。聞くに聞けなかった。

(この人たちが、別人類の重要機密を隠しているのか…?このレベルで、奴等の不自然さに気付かないわけがない…)


ふと、幸が薫の顔を覗き込んだ。


「私、薫くんの考えてることわかるよ」

「え?」

「別人類の生態に違和感あるんでしょ。…流石、学校でちゃんとした勉強してただけあるよね。薫くんって騙されにくいタイプでしょ」

「あ…」


薫は俯く。まったくその通りだった。


「薫くんには隠しても無駄だと思うから、言うね。別人類の秘密」


幸はどこか嬉しそうにそう言って、口角をにぃっとつり上げた。