しかし、薫は内心複雑な気持ちだった。
もし、別人類にも人間と同じように文明を作ることが出来る程の知能があるなら、領土を広げたいという欲求…自分達の文化を作りたいという感情があるなら、我々との差違は無いのでは無いだろうか。
人類の敵として奴等を倒すことを目的としているわけだが、これは人殺しの一端のような気がしてならないのだ。
(だって、あいつらだって見た目は気持ち悪いし、俺達とはかけ離れてるけど、この過酷な環境で生き抜くために進化して…、それで……)
薫はそこまで考えてふと思考を止める。
(進化……?いや、違う…だって、そんな…百年、千年っていう単位じゃ、生き物の進化なんか望めないだろ……)
何か根本的なことを見落としている気がする。薫は別人類の気配とはまた違った寒気を感じた。
「あいつらは…何なんだ…?」
薫は、有頂天になっている幸の側で呟いた。


