ア オ イ




死体の処理を手伝おうと、薫も他の兵士のもとに急ぐ。

すると、そこには鼻息荒く白衣を着た研究員と話し込んでいる幸が居た。


「幸さん!」

「おっ、薫くん」


幸も薫の姿に気が付き、軽く手を振ってくれた。薫は彼女のところに小走りで向かう。


「何してるんですか?」

「ふふん。聞いて驚け、薫くん」


得意気に、幸は薫を見上げた。その手には、何やらびっしりと数字が並んだ分厚い書類がある。

彼女はそれを薫に突き付けた。


「君のおかげで、別人類の生態が解明されつつあるんだ。それでね…私達はその群れのひとつを、今回全滅させたんだよ!」

「え…?」

「別人類は、私達人間のように集落を作ってるんだ。そして、その活動領域を広げるために人間を襲ってる。今回は集落のひとつを壊滅させることに成功したんだ」


興奮気味に語る幸に、薫は気圧されてしまった。


「じゃあ、領土拡大のために攻め込んできた奴等を、返り討ちにしたと…」

「そういうこと」


幸は機嫌よく頷いた。