「っ、来ます!」
薫は叫んだ。
すると、藍生は目にも留まらぬ速さで武器を構え、その場から飛び出した。
現れた別人類の首が、声もなくごろりと地面に落ちる。
薫はいつ見ても酷い光景にひきつった悲鳴をあげた。
「やつら、多いのか?」
「いえ…多いと言うよりは、一体一体が強力な感じがします」
薫の言葉に、藍生は「厄介だな」と舌打ちをした。
「お前、通信機は持ってるだろ。応援を要請しろ」
「は、はい!」
薫は震える指を叱咤して通信機を操作する。
小型化が進み、今やホログラムのキーをタッチする時代のようで、操作方法を教えられたときはワクワクしたものだ。
まさかこのような形で実践するとは思わなかったのだが。
「あの、誰か第五出入口に応援を……」
『了解。そちらには藍生さんが居るのか?』
「はい」
『では第三班をそちらに派遣する』
「お願いします」
通信が途切れたことを確認し、薫は再び顔を上げて戦闘の様子を見た。
地面に転がる首は数を増やしているが、いまだ別人類は藍生に襲いかかってくる。
それをひょいひょいと避けて、藍生は確実に奴等の首を落としていった。


