ア オ イ






――ふわふわとおぼろげな意識が、まるで水面に浮かび上がるかのようにゆっくりと戻ってくる。

真っ暗だった視界に、シミだらけの天井が映った。

薫は、小さく唸ってから起き上がろうと腹筋に力を入れた。

しかし、いきなり視界を遮るように何者かの顔が乱入する。


「あ、気が付いたかい?」

「うわあ!?」


思わず大声を上げ、薫は枕に頭を打ち付ける。

すると、謎の人物はさもおかしそうに大口を開けて笑った。


「あっはっは!そんだけ大きい声が出るなら大丈夫だね。急に空から降ってきたんだもん、心配しちゃった」

「空から…?俺が?」


謎の人物はどうやら髪の長い女性のようだ。目が覚めてだんだん視界がクリアになっていき、薫は不安に駆られる。

ここは、いったいどこなのだ。

混乱する薫を余所に、その女性は部屋の奥に何やら大声で叫んだ。