「別人類を倒すための最強の兵器と一緒になれば、我々の勝利も目の前だということだな」
満足げにそう言うと、国王は藍生に近寄り、品定めをするように上から下までじとりと視線を這わせた。
「随分髪が伸びて女らしくなったな」
髪を梳きながら手を這わせ、首筋を撫でてからゆっくりと藍生の顎を掴む。鼻先がぶつかりそうなほどに顔を近づけ、国王は言った。
「せっかく王都から出てここに来たんだ。…少しくらい、楽しみがあってもいいと思うのだが?」
藍生の腰をいやらしく撫でまわし、やがてその手が下へと移動したとき、唐突にぱちんと乾いた音が室内に響いた。
「っ…!!」
国王の手を叩き落としたのは薫だった。顔は紅潮し、怒りに染まっている。
「…藍生さんに触るな」
唸るように言う薫に、藍生も国王も虚をつかれたのか、目を丸くしている。
国王は何か面白いものでも見つけたかのように目を細める。
「少し、子どもには刺激が強かったかな?」
「うっせーんだよ、それ以上しゃべんな変態野郎」
藍生を庇うように二人の間に入ると、薫は国王を睨み付けた。


