兵士が訓練へと出掛けていくなか、薫は研究員と共に朝食の皿洗いを手伝うことになった。
この時代での自分の立場の確率に戸惑っていたこともあり、薫は雑用係だろうと何でも喜んで行うことができた。
食器をすすぎながら、ふと幸が思い出したように尋ねる。
「で、薫君。どうだったのよ」
「何がですか?」
薫が何のことかわからずに首を傾げて見せると、幸は意地悪そうに笑った。
「やだなー、とぼけないでよ。藍生の話だってば」
「え?」
ぎょっとして皿を取り落としそうになる薫に、幸は構わず続けた。
「見たんでしょ、藍生の裸。ドキドキしちゃった?」
「そ、そりゃあ………俺、健全な男子高校生ですからね」
「良い反応だねー!それに比べて藍生ったら無いよね。たぶん、君に裸を見られても眉ひとつ動かさなかったんじゃない?」
幸は、ぶうっと口を尖らせる。薫はそう言われて思い出してみた。確かに、藍生はいつも通りの無表情だったかもしれない。


