薫の悲鳴に、藍生は水浸しのタオルを投げつけた。
「うるさいぞ」
「だ、だって!!…その…」
薫は顔を真っ赤にしてしまった。年頃の男児には少々刺激が強すぎる。
藍生は特に気にする様子もなく、薫の横を通り過ぎて自分のバスタオルで体を拭き始めていた。
薫は歩いた時に彼女の乳房がふるりと揺れるのを横目で見てしまい、更に自己嫌悪に陥る。
「お、おんなのひと…だったんですか…」
薫は蚊の鳴くような声で呟く。藍生は「そうだ」と何でもないことのように言った。
「何で言ってくれなかったんですか!!俺、モロに見ちまいましたよ!!」
「別に隠していたわけじゃない。お前が勝手に勘違いしてただけだ」
藍生は服を着ながら至って冷静に答える。薫は頭が痛くなった。
「だってあんなに強いし、声だってハスキーでカッコイイし…」
「強さに性別は関係無いだろう」
藍生は身支度を整えると、狼狽えて騒ぎ立てる薫に視線を向け、言った。
「…良いのか、それ」
「え?」
「丸出しだぞ」
薫はその言葉に、自身の股間に目をやる。
本日2度目の、大きな悲鳴が響き渡った。


