渋々といった様子を隠しもしない薫を引きずり、幸と亘は藍生を連れて先日穴を開けられたドームの2丁目に再び訪れた。
研究者としての何かが騒ぐのか、幸は興奮気味に塞がれた穴を見つめている。
「奴らはどうしてこれを開けたんだろう。何十メートルもある厚さの壁を…どうやって…」
外からも壁を塞ぎ、一応もとの形に補修したものの、やはり強度は劣る。住民からも不安の声が上がっているらしい。
唸る幸の背後から、薫も同じようにして壁を見てみた。
残留した別人類の気配がする。
「ここに、別人類の気配が若干残っています。それと…」
「?」
口を開いた薫に、幸は注目した。
「以前、別人類に知能がある者が居るって話してましたよね。もしかしたら、そういう奴らが先頭になって、人間を襲っているのかも…」
「俺たちの住処が奴らにはばれてて、明確な意図を持って襲ってきているってことか?」
「そうではないかと」
亘の問いに、薫はたどたどしく頷く。
「思い出したんですけど、奴らの気配を感じたときに、ものすごい速さで迷わずこっちに来るのがわかったんです。この前ここに現れた奴らは、明らかにここを目指してた」
「…なるほどね。君のそれは、奴らの移動スピードと方向も分かるのね」
幸は神妙な面持ちで頷いた。


