薫を抱き締め、庇いながら器用に別人類の首を落とし、藍生はグイッと薫を幸に押し付けた。
「おい、ちゃんと見張ってろ」
「ごめんってばー」
舌打ちでもしそうな勢いの藍生に、幸はぺろりと舌を出して謝る。薫は放心状態だった。
「ほら、薫君。わかったでしょ、あいつは私たちとは違うって」
「…違いません」
「え?」
ぼんやりした様子で、しかし強い口調で薫は言った。
「藍生さん、温かかった」
「うん?」
「心臓の音も、しました」
幸は薫の言わんとすることに気が付いたのか、やれやれといったようにため息をついて笑った。
薫は言った。
「藍生さんは、人間です」
――兵器なんかじゃ、ありません
薫がそう断言すると同時に、シェルターが開かれた。
「終わったぞ。…穴をふさぐ作業に入れ」
藍生は、息ひとつ乱れていなかった。


