ア オ イ





現場に着くと、駐在兵が慌ただしく辺りを走り回っていた。

崩れた建物や立ち上る煙が、テレビで見た紛争地域の景色と重なって、薫は思わず両手で顔を覆った。


「何だ…これ…」

「薫君、気配はある?」


幸の言葉に薫ははっとして辺りを見回す。

神経を研ぎ澄まし、集中する。薫は目を見開いた。


「居ます、えっと…右!」


薫が言うと同時に、別人類の群れが姿を現した。


「藍生!」

「わかってる」


藍生はサッと刀を抜くと別人類の頭を飛ばした。薫は目の前に降ってきたそれに思わず短い悲鳴をあげた。


「薫!!」


不意に藍生に名前を呼ばれ、薫はドキッとしてしまう。


「奴らはまだ居るか?」

「え…?」

「奴らの気配はするのかって聞いてんだよ」


薫は目を閉じ、別人類の気配を辿る。だんだんコツが掴めてきたらしい。


「居ません。こいつらをやれば…ここは落ち着きます!」

「わかった。でかしたぞ」


藍生は口の端でにやりと微笑む。薫はそれを見て、何だか落ち着かなくなった。