ア オ イ




「さっき、奴らが地面に出てくる前、凄い寒気がしたんです。足もとからぞわって這い上がってくる感じの…」

「それで、下に何かいるって言ったわけね」


幸は考え込むようにしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。


「寒気の度合いで数とか大きさとかわかるのかな。それなら、別人類感知役として薫君には大きな役目を果たしてもらうことに…」

「えぇっ!?」


薫は驚いたように叫んだが、すぐに口を噤む。不審に思った幸が声をかけた。


「どうしたの?」


薫の背中はぞわぞわとしたあの感覚に蝕まれていた。


「あ、あの…」

「何?」


幸がハンドル操作の合間に振り返る。薫は言った。


「さっきよりも凄い寒気が…あいつらの気配…みたいなのがします。数が多いか、かなり大きいかのどっちかなんじゃないかと…」

「2丁目、かなりピンチってことかな」


幸は苦々しく呟いた。