舌打ちとともに、藍生が車を降りて行った。薫は思わず止めようとした。
「ま、待ってください、危ないですよ!」
「大丈夫だって、薫君。すぐ終わるから…」
身を乗り出した薫の肩を幸が掴む。藍生は刀を抜くと薫を一瞥する。
「おとなしくしてろ」
言うなり、藍生は駆け出して行った。ほぼ同時に一体の別人類の首が飛ぶ。
まるでおもちゃか何かのように巨大な頭が床に転がっていくのを見ながら、薫は言葉をなくしてしまった。幸は小さく言う。
「藍生はね、別人類を殺すためにつくられた兵器なんだ。いわば私たち人類の存続を担う、未来への希望」
「兵器…?」
「別人類はかなり私たち人間に近い体のつくりをしてるんだ。けど、体は丈夫だし、どうやって殺せばいいかわかんなかったんだよね。大砲で撃っても死なないし。そこでね…」
奴らの首が飛び、ボンネットに当たった。車はわずかに振動する。
「脳と体を離しちゃえば、生命活動は停止するってことがわかったんだよ。そこで、確実に奴らの首を飛ばせる兵器が必要になった。それが藍生」
「あの刀は…」
「あれは、奴らの首を飛ばす特殊な武器。刃が何枚も連なってて、腕の振りで長さや方向を自在に操れるんだ」
私の研究班が開発したんだよ、と得意げに話す幸の顔に影が差す。
」


