背中に重い衝撃が伝わった



「痛ってぇ!なんなんだ…よ…。」
振り返るとこの世で最も関わりたくないやつがいた。

「よっ!久しぶりぃ!卒業式以来だな!!」


「き…りと…」
こいつは俺と幼稚園のころから一緒だった桐上桐斗(とうじょうきりと)だ。
俺は青ざめた・・・
なぜならこいつは毎回俺の青春をブチ壊してきたやつだからだ。
腐り縁なのか、いくら引っ越してきてもこいつは俺の近くにいた。
…まてまてまて、いくらなんでもおかしくないか?
そりゃあよく漫画とかでは幼なじみの女の子と男の子が一緒の高校行くのはよくあるが
俺は何回も引っ越してるんだぞ?こんな偶然が何回もありえるか?
俺は恐る恐る聞いてみることにした…

「な、なぁ。」


「んっ?あ!そういえば海麗、また引越ししたんだろ?」


「えっ?あ、そうだが。」


「やっぱりぃ!お前を探すのに俺、必死だったんだぜ!!でも…また会えたからよかった。」


俺を探しにきた?は?なぜ?
しかもなにこの子。なんでこんな笑顔なの…


「なにお前、俺についてきたってわけか?」


「当たり前じゃん!」


はっきり言いやがったぁ!
まじかよこいつ…
そこまでして俺についてくるって、俺なんかしたか?
いや、まずこいつとはあんま関わってないはずだ…
じゃあなぜだ。なんだか怖くなってきたよぉ。早くこの場から立ち去りたい…
も、もう無視して行こう・・・

「あ、待てよ。」


俺は歩きだす。それと同時に桐斗も歩き出す。


「なんでついてくんだよ」


「俺お前とクラス一緒だから。」


「だとしても、ついてくんな!」


「そんなこと言うなって!あれほど愛した仲じゃねーか!」