「渋谷君!」

放課後、靴を履いて帰ろうとしていた渋谷君を私は引き止めた。

「なんだ?」

「えっ?!」

なんで、引き止めてるの??
とくに用はないのに。

「なんでもないなら、帰るぞ。」

「えっ、待って!」

渋谷君は靴を置いて私のところへきた。

「おまえ…俺のこと好きなの?」

「えっ?」

何いってるのこいつ!
好きなんかじゃ…ない…もん。
そう思ってると、
渋谷君が私の頬に手をあて、顔を近づけてきた。

「好きなんだろ?俺のこと…。」

そういって、渋谷君と私の唇が重なった

「ははっ、顔真っ赤だぞ。じゃーな。美羽!」

渋谷君は靴を履き帰っていった。

「なんなのよあいつ!勝手に呼び捨てで呼んで…人のファーストキス奪っといて…。」

私はこのとき知った。
渋谷君は俺様男子なこと。
私はそんな渋谷君に恋しちゃったこと。