でも・・・今だけは。 残りわずかなこの時間の中で、こいつの消えかけそうな命を感じていたい。 「双葉」 「何?」 いつもと変わらずに返事をする。 「俺の手を力いっぱい握ってとけ」 「・・・うん?」 力いっぱい握られた手は、やっぱり痛くもかゆくもなかった。