年上とか、年下とか、高校二年生の良幸(よしゆき)にとって、どうでもいいこと。
 しかし幼馴染の高校三年生の花撫(かなで)にとって、大切なことだった。

「たまには後輩らしくしたらどう?」
「後輩らしく?」
「そう!私のことを呼び捨てにする。敬語を使わない。注意をしたら、逆に怒る。どういうこと?」
「知るか。花撫が年下みたいだから、先輩らしく少しは振舞ってみたらどうだ?そしたら、俺の態度が変わるかもな」

 生意気な態度を見せながら、花撫の部屋のベッドでゴロゴロ寝転がっている。
 良幸と勉強をするために花撫は家に招いたのに、これでは全く意味がない。

「良幸、猫じゃないのだから、そろそろ勉強をしよう?」
「嫌だ」
「どうして?」
「今はそんな気分じゃない。寝かせろ」