我妻教育〜番外編〜

でも先に琴湖にドリンクだ。


バッグから財布を出してコインをポッケに入れ、軽くシャツをたたんで机の上にのせようとした。


「あれ?」


心臓が、キュっと縮んだ。


「まさか…、ない…」



フリルのシャツの胸元。


ついているはずのカメオのブローチが…、ない。



ハッとして、教室を飛び出した。

今、キラトが出て行った方向へ。


キラトがかけ降りて行った階段を勢いよく一階まで降りた。


キョロキョロする。

キラトはいない。

どっちに行ったんだ?



保健室から出てきて廊下を歩いている啓志郎と目が合った。


「キラト見なかったかい?」


「蛯波瀬ならば、校舎を出て行ったが…」


啓志郎は、校門とは逆の方向の出口を指差した。