我妻教育〜番外編〜

「琴湖ちゃん、楽しそうだね。

てか、キラキラしててズルい!
やっぱり恋してるでしょ」



疑うような白雪の視線を思わせ振りにかわして肩をすくめた。


「さあ?それはどうかしら。

楽しいことは事実だけれど」


「なにそれぇー!怪しいー!」



クスクス笑いながら、

「ほら、白雪、もうすぐ始まるわ。席に着いて」

白雪の背を押した。



「もォ~、琴湖ちゃん、すぐはぐらかすんだから!

明日ちゃんと話してもらうからね!」


プリプリしながら、けれど、楽しそうに白雪はジャンとともに席に着いた。



講堂内は、期待に満ちた沈黙。



舞台袖で開始を待つ綾人さんが、


「琴湖ちゃん。じゃあ、行ってくるね」


講堂の中心を見据え、いざ講義へ向かう。


と同時に、講堂中に拍手がわき起こった。


「はい。行ってらっしゃいませ」



綾人さんは、少し進んでから止まり、振り返って私を見た。



「どうかされましたか?」