我妻教育〜番外編〜

「綾人さん、以前おっしゃいましたよね?

私はもう少し自分を好きになった方がいいと。

好きになる為に必要なんです」



初めから、一度反対されたくらいで諦めるつもりはなかった。


綾人さんは困った顔をしたままだったけれど、私は構わず準備を進めることにした。




家に帰ると、私の部屋の電気が着いていた。


慌てて部屋の戸を開ける。



「お母様!」



いつの間に家に帰ってきていたのか、母が勝手に私の部屋に入っていた。



「琴湖。これは何?」


母は、しかめた顔で、私を見る。


マズいと思ったけれど、時既に遅し。


母は、私の部屋のテーブルに立て積みされた本やパンフレットを手に持っている。