我妻教育〜番外編〜

そう言いながら、未礼嬢は懐かしそうにもう一度腕時計をじっと見つめた。



荒れた手指に、高級腕時計。

微笑む横顔は、とても美しいと思った。



やりたいことが見つけられた人間は、こんなに輝くものなのだ。



きっと未礼嬢は、家を出るんだわ。


いつかお嫁に行かされる〜とは言ったけど、それは嘘。


もう、親のいうなりになる気などないのだ。


その準備を今している。


自分の人生を歩く。


私の姉の榮華と同じように。


漠然と、そう確信した。





家に帰ってきたときに、母が私に何かを話しかけようとしていたけれど、気づかないふりをして、自室に入った。



布団に入っても、寝付けないでいた。