我妻教育〜番外編〜

啓さまとのことをもう少し聞いてみたい気もしたけれど、未礼嬢はそのまま黙って車からの景色を眺めた。



未礼嬢に聞いてみたいことは、もう一つあった。



「その後、お見合いはされてるんですの?」


ただの下品な好奇心に過ぎないんだけれど、思いきって尋ねた。


未礼嬢の今後で、一番気になることだったから。



食に関する仕事をしてみたいと思っていたって、お嬢様として生まれた宿命からは逃れられないでしょう?


…私もそうであるように。



私の質問に、未礼嬢は首を横に振った。


「ううん。してない。
ていうか、しない。

まァ、嫁にはいつかどこかに行かされるとは思うんだけどね。

しばらくはしないって親とも話したんだ。
少なくとも学生中は絶対しないって。

結婚よりも先にまず、ちゃんとした大人になりたいんだ、って」