我妻教育〜番外編〜

特に深い意味なく聞いた。



「…僕?」


少し答えるのに戸惑った、綾人さんの様子を見て、“しまった?”と思った。



なぜなら、高校生のときに車椅子生活になった綾人さんには、もしもかつて夢があったとして、それを諦めざるを得なかった可能性が高いはずだから。



まずい質問をしたかもしれないなんて考えたこと、悟られてはいけない。

綾人さんに対して失礼だわ。


思わず無言になってしまった。


無言になるのがかえってダメだということは、わかっていたけど…。



「大丈夫だよ」


動揺した私の内情などお見通しだったみたい。

綾人さんは、フォローするように明るい声で、