我妻教育〜番外編〜

時間がたつのも忘れて、夢中になってページをめくった。



飲み残していた紅茶はすっかり冷めてしまったけど、私の高揚を冷ますにはちょうど良かった。


パタンとアルバムを閉じて、トリップしていた気持ちから私は現実の世界に戻ってきた。



「ね?写真。良かったでしょ?」


そんな私の様子をいつから見ていたのか、綾人さんは、微笑ましそうに目を細めていた。



「ええ。とても」


気恥ずかしくなって、小さく咳ばらいして話を変えた。


「…そういえば。
桧周さんと少しお話する機会があったんですけれど、こちらの活動参加をおやめになった理由は、どうやらご家庭のご事情のようですね」



「うん。僕はあまり深く聞いていないんだけど、そのようだね」