兄の家元襲名も、姉の成功も、自分とは関わりのない、どこか他人事のようで、ぼんやりした気持ちで竹林を歩いた。



すると、竹林の奥に佇む離れの茶室の陰に隠れるようにしゃがみこんでいる2人の子どもの姿が見えた。



「どなた?!」


驚いて声をかけると、子ども2人は、顔を伏せてさらに隠れようとしたけど、その2人が誰なのか、私はすぐにわかった。



「あなたたち、どうしてこんなところに…?!」