──あ、 わたしはふと、隣に視線を送った。 いや、実際にはそーっと見た感じ。 わたしの席は窓側だから、隣って言ったら1人しかいない。 そう、こいつ。 授業中でも堂々と寝ている、遊浅(ユアサ)しか。 ちなみに遊浅は名字である。 変わってる。 本人と一緒で。 彼、遊浅はいつ何時でも寝ている。 机があれば、突っ伏して。 なかったら体育座りで、腕に顔を埋めて。 そんな彼の可愛さに、女子がきゃーきゃーうるさいんだけど。