…愛してるわ。」

ピーーーーーーーーーーーーーーー…


そう言って目をつぶった星羅。

俺の手からスルリと抜ける華奢な手。


それと同時になる冷たい機会音。


全てが耳に、頭に、心に響いて痛い。



「星羅っ…?」

頭が真っ白になる。



思考が止まる。


「うそ、でしょ…?」

「お母さん…起きろよ。なぁっ、」


「う、わぁぁぁぁぁっ!!」


俺は無力だ。

愛する人独りも守れなかった。







ただ、星羅の顔はこれ以上ないような

柔らかい顔をしていた…


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