その後小さい丘に行った。
芝生に寝転がって夜空を見た。
「…星すご…」
「…あのね、」
「うん?」.
…この言葉は伝えておきたかった。
「小さい頃お母さんから聞いたの。
『夜になっていきなり現れる、不思議な夜空の星はね、
色んな人の思い出とか、命とかそういう何にも変えられない、とっても素敵なものなのよ。
それはずーっと、ずーっと空から見守ってくれるから一生消えないの。
空を見上げればいつでも思い出せるように、いつも光輝いているのよ。
星羅っていう名前もね。
星のように皆から好かれて、素敵な、
輝く女の子になって欲しくてつけたのよ。』
って。」
「…ぴったりだな。」
「え?」
話し終えると斎藤がそんな事を言った。
「お前にぴったり。」
「…そうなのかな。」
「そうだよ。」
星が降る夜に私達はセカイの片隅で静かにキスをした。


