なんで逸らすんだよ。

「遥君、どうかしましたの?」

「…別に、なんでもねぇよ。」


「それとも…」



五十嵐は俺の耳のところまで口を持って行って小声で、


「真白星羅の過去、聞きたくなりましたの?」

「…は?」


…ふざけんな。

「昨日も言ったじゃねぇかよ。
お前からは聞かねえって。」

「…そう。」



…するとある男子が星羅の所に向かって行った。


…なにしに行ったんだ?

「真白さん」

星羅は声が出ないから
その代わりに首をコテッて少し傾げた。

なに?って口パクで言いながら。


すると男子はあるプリントを見せて
なにか説明していた。


その説明を聞いて星羅は目を輝かせて
満面の笑みで頷いた。

その時の顔がちょー可愛い。

…そんな顔、他の男子に見せんなよ…
…彼女でもないけどさ、独占欲って湧くよね。