…やめてよ。斎藤をとらないで…




私をあそこまで理解してくれるのは
斎藤しかいないんだよっ…?


私を1人にしないでよ…



…このまま斎藤が小さな音を立てて
一瞬にして消えてしまいそうで。

泡のように跡形もなく。



手を伸ばしても届かなくて。



耐えられなくなって私はバックを持って
1人、斎藤との約束も守らずに走って帰った。

…斎藤も離れるのかな。



やだ。やだよ…辛いのは。

あの時と同じ事になる。




その日は夕飯も食べないで…寝た。