今、斎藤の後ろに着いて階段を降りてる。帰らなきゃね。
…斎藤、来てくれて…嬉しかったな。
でも、まだ五十嵐さんがいるよね。
この問題…どうしよ。
「遥君っ!」
「っ!!」
声がしてふと顔をあげると五十嵐さんが斎藤の腕に巻きついてる。
「うざい。暑苦しい。触んな」
「あら。冷たいのね。
…丁度良かった。先生がお呼びですわ」
…そんなの嘘に決まってんじゃん。
だって、それならなんで五十嵐さんなのかわかんない。
「あ、まじ?…星羅、ちょっと行くけど、終わるまで待てるか?」
多分“待ってて”っていうのは
声が出ないから送ってくれるのかな。
…私は力なく小さく頷いた。
本当はここで引きとめればいいかもしれない。
…でも、五十嵐さんが斎藤の後ろで、
あの写真を出してたから。


