夜空の星は。




今、斎藤の後ろに着いて階段を降りてる。帰らなきゃね。


…斎藤、来てくれて…嬉しかったな。


でも、まだ五十嵐さんがいるよね。

この問題…どうしよ。



「遥君っ!」

「っ!!」

声がしてふと顔をあげると五十嵐さんが斎藤の腕に巻きついてる。


「うざい。暑苦しい。触んな」


「あら。冷たいのね。

…丁度良かった。先生がお呼びですわ」


…そんなの嘘に決まってんじゃん。

だって、それならなんで五十嵐さんなのかわかんない。


「あ、まじ?…星羅、ちょっと行くけど、終わるまで待てるか?」


多分“待ってて”っていうのは
声が出ないから送ってくれるのかな。


…私は力なく小さく頷いた。



本当はここで引きとめればいいかもしれない。


…でも、五十嵐さんが斎藤の後ろで、
あの写真を出してたから。