私は柵から身を乗り出した。
…サヨナラ。
『星羅っ!』
大好きな声の幻聴が聞こえる。
ごめんねーーー。
「星羅っ!」
ーーっ?!
「馬鹿っ!何やってんだよ!?」
斎藤…
やめてよ。しなせてよ。
終わりにさせてよ。
斎藤は私を引っ張って床のある方に倒れ込む。
「なんなんだよ!何があったんだよ!」
…なんで、優しくするの。
私に関わるの。
「…何があったかなんてしらねぇよ。
でも、逃げんなよ!」
ーーっ!
「なんでも戦わなきゃ
いけねぇんだよ!」
「お前が死んだらっ…悲しむやつだって一杯いるんだぞ?
家族に
茉莉に
龍に
坂井に
俺だって。
皆が泣くんだぞ?」


