もうだめだって思って、 思いっきり眼を閉じた。 …ふと脳裏を何かよぎった気がした。 ーーーーーーバタンッ 「…っぶねぇ…」 大好きな声が聞こえて 眼を開けてみると、 斎藤がいた。 「さい…と?」 「わり、ぼーっとしてて 気付かなかった。 怪我とかしてないか?」 …痛いところはない。 私は小さく頷いた。 「…そっか。良かった。」