「なに、なんで宏斗洋ちゃん知ってんのー?

 あたしの大事な大事な後輩やねんけど!

 あんたになんか渡さへんで!!」










美奈子せんぱいが


半分笑いながら言う。











…やばい。




心臓発作になりそう。













「あほか!
 俺も一応 バスケ部やってんからな!

 別に深い意味ねぇよ!」














宏斗先輩の言葉には 少しだけ



寂しくなったけど











ただの後輩としてでも、


あたしのことを

知ってくれてたんだ。





…って、




そんな喜びの方が 断然大きかった。












宏斗先輩の中に、




あたしなんて これっぽっちも


存在してないと思ってた。













でも、




あたしがバスケ部だって

知ってくれてた…











それだけで 涙が出るほど


嬉しくて仕方ないんだ。













普段は見逃しちゃうほど

些細なことでも、




先輩が関わるだけで


わかりやすいくらい

一喜一憂してる自分がいて












そのたびに実感するんだ、











先輩が大好きだ って。