「おい。どこ行ってたんだよ」
イヴの声がして振り返ってみると、イヴが不機嫌そうに腕を組んで睨んでいた。
「昨日から友人のところへ行ってて今帰ってきたんですけど…」
「昨日、そんなカッコじゃなかったよな?」
イヴは眉を潜めて訝しむ。
「友人におめかししてもらったんですけど…やっぱり似合わないですか?」
イヴは何故か『おめかし』という言葉に反応したけど、それっきり睨むのをやめて目を閉じてしまった。
「いや。似合ってる。ホラ、はやく行くぞ、この俺を待たせる女なんて初めてだ。」
「ご、ごめんなさい…」
イヴが差し出した手をとると、強く握り返される。
「あ、あのっ、イヴ?」
「……なに?」
イヴの頬が少し赤い気がするのは気のせいなのかな?
ジッと瞳を見つめられて何も言い返せなくなってしまった。
「………なんでもない、です。」
「あっそ。」