「ハナ、ほんっとごめんね!?うちの親頭固いからさぁ、塾休ませてくんないの」


「いいのいいのっ!受験生だよ?あたしたち。」

「まだ4月なんだしさあ?ま、とりあえず、9時過ぎたらいつでも電話していんだからね?」


”うん”と答える代りに唇を噛んで白い歯をみせる。

これは私の癖であり、武器(?)のようなものだ。


この下唇をかむ笑顔をみんなに見せればみんなが私がいつも通りだという。

”ハナちゃんキラーすまいる”なんて言われて調子にのってる今日この頃。

私のコトをブスなんて言う男の子は今まで見たことない。

容姿が恵まれているのはだいたい知ってる(笑)

かといってもすっごくモテルわけではないけど。


なんてったってハナの周りにはモデル級の可愛さの子たちなんていっぱいいるからね。



私の友達でも紹介しようか。

まず、この目の前にいる(今から塾に行く)、望。(ノゾミ)

名前からノンとみんなに呼ばれている。

ハナとの付き合いは1番長くて”幼なじみ”ともいう親友。

お母さんが”美人料理研究家”でテレビにひっぱりだこ。


そして、青葉。(アオバ)

こいつはただのバカだけど。w

みんなのお姉さん的な清香。(キヨカ)

お調子者のリンカ。


望の家をでて、3分くらいたった。

もう歩道橋。

歩くの速いな。私。

家まではあと2分くらいかかる。


「♪~♪~」

なんでこの歌を着信音にしたのか。

謎の謎の謎である。

切ない歌。大好きなK-POPアイドル・ジフンの声。アー切ない。今の私には切実にくる。

ポケットの中をがさごそっとしてサブディスプレイを見る。

ごめんなさいねー、ガラケーで。ガラクタケータイなんて言われちゃってこの子もかわいそーに。

”着信・湊”

あー上むこ。

瞼をしぱしぱと何度もつぶってひらいてつぶってひらいて・・・