晋作さんは、だいぶ落ち着いた。
よかった~
でも、これから…
どんどん増えていくよね…
私がシッカリしないと!
縁側でボーッとしている晋作さん。
何を考えているの?
「晋作さん♪
お茶ですよ。こんなとこにいたら、
体が冷えちゃいますよ♪」
「わっ?!む、夢雨歌?!
いつからそこに?!」
「今来ましたよ。」
俺としたことが…的な顔。
「晋作さん、私は何もしませんよ。
ましてや、剣術なんて備えておりませぬ。」
「そ、そうだな…」
「晋作さん?
あなたは、今ご自分の命のことを
考えてらしたのですか?
それとも、桂さんのことですか?
隊士のことですか?
きっと、全てでしょうね。
この死病で、自分がいなくなったあと、みんなをどうしようか、そうでしょ?」
晋作さんは、フッと笑った。
この人は正義感が強い。
そのうえ、桂さんとの信頼関係は絶大。
バカそうに見えて、
本当は誰よりもシッカリしている。
「そうだな。夢雨歌にはお見通しか。
俺はこれから、発作も増えて、戦にもいけなくなる。
俺は長州藩の長だから、本当は、最後まで隊士や小五郎と共に戦いたい。
たが、それも無理だ。
そうなれば、隊士どもに約束しちまった未来はどうする?
小五郎なら、まとめられるだろう。
でもそれじゃ…おまえを守れない。
俺のこの手で…守りたかったのに。」
―――――ペシッ―――――
「っ?!」
「何を言ってるんですか!
あなたは長州藩の長ですよ!
誇り高き隊長が、そんな弱音を吐いてどうするんですか!
晋作さんは、死にません!
晋作さんは、不死身です!
だからもっと、ご自分に自信をお持ちください。」
晋作さんは、唖然としている。
ただ、悲しい顔で…

