「ガホッ!ゴッ!」
何?この痛々しい咳のような声…
私は声のするほうへ歩いていく…
なんだか…嫌な予感。
[バタッ]
た、倒れたっ?!
夢の中の私は走った。
なんで、こうも、
長州藩邸は広いの!
「はっ…はっ…」
倒れたのは、高杉さ、じゃなくて、
晋作さんだった…
晋作さんの手には
血が沢山ついていた。
とても、苦しそうなのに…
どうして、あなたは笑っているの?
心配するな。そんなことでも
言うような瞳…
私が、近寄ろうとすると、
晋作さんは、苦しそうに
言葉を発した…
「くる…な…」
「え?なんて?」
なんで、こんなときに
聞き返してんの~(泣)
「夢雨歌さん!
晋作に近づくな!
君まで移ってしまう!
早く離れなさい!」
そう、怒鳴ったのは…
桂さんだった。
移る?
えっ…これが…
あの、死病?
こんなにも、苦しいの?
だけど、あなたは
やっぱり微笑むんだ。
大丈夫だから。と…

