その日は、
私から見ても分かるぐらい
深刻そうな会合のあと
みんな、どんちゃん騒ぎをしてた。




次の日…





なんだか…騒がしい。どうしたんだろう。






「中岡!」

「あ!高杉さん、会合は明日のはずじゃ…
それより、こんな朝早くにどうしたんですか?」

「日向はどこだぁ~」




ドタドタドタドタ…




廊下を走り、階段をかけあがり…





わ、私の方に来るっ?!





そう感じた時には遅く…





バンッ!と乱暴に
襖を開ける音と共に、
高杉さんが現れて…





「昨日は、すまなかった!
だから、帰ってきてくれ。
お願い…します…」

「え?」






あ、あの高杉 晋作が…

私なんかにお願いした。
頭を下げた…




なんか…
この感じ。
憂と仲直りしたときみたい…





そういえば…
どことなく似ている気がする。





「か、顔をあげてください!!
長州藩の隊長が、私なんかに頭を下げられては…」

「いや、おまえだから、頭を下げる。
自分の惚れた女困らせて、ちゃんと謝れねぇ…ってのは、俺的に…な…
すまなかった。」



え?
いま…惚れた女って。






きました!直球です!
いきなり、直球です!
ジャンジャカ、ジャッジャッジャーンっ!





高杉さんは、
それこそ、膝と頭がくっつくんじゃないか、
と思うぐらい深く頭を下げてきた。





「っだぁ~もうっ!
なんだよ、この空気…
苦手なんだよな~
お願いだから、なんか言えよ。」

「…と言われましても。
私には、話題がありません。
っあ!そういや、慎ちゃんがね。」

「か…夢雨歌…」

「ほぇ?」





な、なんだか…
わなわなと怒りが伝わってきてるような…





「なんで…
なんで、中岡は慎ちゃんで、
俺は、高杉さんなんだ?」




なんだか、妙に[さん]を
強調してる…





「高杉さん?
いきなり、どうしたんですか?」





いやいやいや!
夢の中の私よ!
この話題にいまの言葉は
NGなんじゃ…






「だから、なんで、
俺は高杉さんなんだ?
前から言おうと思ってた…
高杉さんって、なんか、
他人行儀すぎるぞ。
それに比べて、中岡は慎ちゃん?
俺は、あのチビに負けたのか?」