ピロピロピロ……♪♪
「きゃぁあ――!!!!」
チャイムの音が消えたかと思ったら、家の電話が鳴り始めてた。
“もう、いや……”
あたしは勢いよく電話に飛びついた。
「なんなんだよ!!!」
「ど、どした?」
「あれ?守?」
「なんなんだよ!!って、そんな電話のでかた初めて聞いたよ!!」
笑えなかった……
言葉さえ出て来なかった。
「……流奈?なんかあったか?」
「ううん、なんでもない」
「そっか、ならいいけど携帯出なかったから家に掛けたんだ」
「あっ、ごめん」
「もう少しで着くけど、今日も翔サンに会わなくちゃいけないんだ」
「翔サンに言った??流奈達の事……」
「なんで?」
「聞いただけ」
「言ったよ、そしたら、頑張れなぁ!!って」
「それが、どうかした?」
「住んでる場所は?」
「言ってないよ」
「そう」
「なんかあんの?」
「ないない!!翔サンとは何時待ち合わせ?」
「俺が家出る時に電話する」
「分かった」
そう言って電話を切りその場に座り込んだ。



